俺様社長に飼われてます。


「それで?アナタのお名前は?」

「し、篠原 未央(しのはら みお)です……」

「お前、そんな名前だったのか」


なんてぽつりと漏らしたのは高山さん。

そういえば彼から名前を告げられたものの、聞かれたことがなかったのでこちらから名乗ったことはなかった。


「やだ、そーちゃんったら名前も知らないで抱いてたの?」

「抱いてない」


ピシャリ、冷たい水を浴びせるように高山さんは言い切る。

柳谷さんはそんな彼の様子に酷く困惑したような表情を見せて、何か考えているようだった。


「ついこの間まで高校生だったらしいぞ。だから恐らくまだ17だ」

「……そーちゃん、それ犯ざ」

「だから、彼女ではないしそういうこともしていないと言っているだろう」


目を白黒させて青ざめたり赤くなったりする柳谷さんに再び制裁が加わる。


次に高山さんが投げたのは比較的被害が少なくて済む、ホワイトボードのクリーナーだった。

カツン、と軽い音がして柳谷さんの足元に転がった。


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