俺様社長に飼われてます。


「あら、そうなの?まあそーちゃんの彼女じゃないってことなら、この子を借りてもいいわよね?」

「ダメだ」

「どうして?」


落ち着きを取り戻して冷静になった柳谷さんは美形だということもあってか、すごく威圧感があった。

とはいえ威圧感でいえば高山さんも負けていないので二人が真剣な表情で向き合っていると妙な緊張感が生まれる。


私は関係ありません、という風に先ほど手を伸ばしかけていた判の入った箱を自分の方に引き寄せて箱に掛けられた簡単なロックを指先で外した。

開けたら中には規則正しくズラリと似たような判や印鑑が並んでいて、右側のプラスチックの板で仕切られた空間にはインクが――こちらも規則正しく並べられている。


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