俺様社長に飼われてます。
「うーん、さっぱり……。高山さんに、化粧品をたくさん貰ったんですけど全然使い方がわからなくて」
「あら、そーちゃんが女の子にプレゼントなんて珍しい」
私が余計な情報を添えたからだが、予想外のところに食い付かれて思わず固まってしまう。
返答に困ってフリーズする私とは裏腹に、柳谷さんは手際良く手を動かす。
スポンジでチークを整えたあと、ファンデーションとは違う真っ白な粉をブラシで掃くようにしてチークに重ねられた。
「そーちゃんねぇ、真面目そうに見えて色々と問題児だから」
「問題児って……」
確かに彼は私を枕で殴り付けてきたり、柳谷さんに分厚い背表紙の本やホワイトボードクリーナーを投げ付けたりと手癖は悪い。それは認める。