俺様社長に飼われてます。
柳谷さんにメイクを施されたあの日から、一週間と少しが経った。
毎日寝て起きては高山さんの作ったご飯を食べ、彼の仕事を手伝う。
そんなルーティンを壊すような大事件が起こった。
「どういうことだ」
聞いたこともないような低い声。
普段から寄せられている眉間のしわは更に濃いものとなって、ものすごい剣幕で詰め寄られる。
「ど、どうしたんですか?」
私は何か仕事で失敗してしまっただろうか。
今日はまだ書類整理しかしていないから、失敗も何もないと思うんだけど、と色々と思考を巡らせていると、高山さんがひどく不機嫌そうに私に雑誌を突き出した。
「え?何これ」
表紙一面に飾られた、黒髪の女の子。
見覚えのあるその顔に、私は口をへの字にした。