俺様社長に飼われてます。
「写真、撮られました」
「ほう」
簡潔にそう事実を伝える。
高山さんはそんなこと俺は一切聞いてない、と意味を込めるようにして短く返事をする。
次の言葉に困って視線をあちこちにさ迷わせていると、扉の方から激しめのノックがされた。
「そーちゃーん!新作の開発案できたわよ〜!」
恐らく今回の事の発展であり、詳しく事情を知っているであろう本人が自ら登場し、私と高山さんは面白いくらい同じタイミングで柳谷さんに振り向いた。
「……な、なに?」
扉を開けた途端に自身に注がれた二つの視線に動揺したのか、柳谷さんは掲げていた書類を落としかけて空中でキャッチした。
「柳谷。ちょっと座れ」
クシャクシャになった書類を気にする柳谷さんに、高山さんの低い声が投げかけられる。
柳谷さんは思い当たる節があったのか、目を泳がせて扉の方に振り向いた。