俺様社長に飼われてます。


「それに、今総務の方は未央ちゃんに関する問い合わせでいっぱいよ?」

「はぁ?」


私と高山さんの声が重なった。

柳谷さんはビクリと肩を震わせて、ごまかすように宙を見つめ口笛を吹いている。


「……柳谷。もういい。開発案を机の上置いて、仕事に戻れ」

「は、は〜い……」


私の位置からだと高山さんの表情が見えないけど、柳谷さんの笑顔が引きつっているため相当怒っているということは分かった。

パタン、と扉が閉まる音を呆然と聞いていると、視界が暗くなった。


「わ……!?」


背中に回された温もりと、自分の服から発されるのと同じ柔軟剤の香りに包まれる。


「……高山さん?」


――抱き締められている。

突然の行動に戸惑いながらも、彼の胸に身体を預けると髪の毛に高山さんの指先が絡んだ。


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