俺様社長に飼われてます。
「……やっぱり、ダメですか?」
柳谷さんの策略でこうなってしまったけれど、せっかく巡ってきたチャンス。
地位も名誉も家柄も家族も、何も無い私が大企業の社長をするこの人の傍にいても恥ずかしくないように、なんて。
「……うちで契約してる雑誌のみだ」
「それって」
軽く頬を撫でられて高山さんの腕の中から解放された。
時々この人はこうして私に恋人にするようなことをしてくるから、困惑する。
頬の熱が引いてから顔を上げると、高山さんの綺麗なチョコレート色の瞳と視線がぶつかった。
「お前のやりたいようにやるといい」
基本的に表情を動かさないこの男が何を考えているのか、やっぱりまだ読み取れない。