俺様社長に飼われてます。



都内、某ホテル。


貸し切りとなった建物内。あちこちに警備員が配置されているのを見るあたり、このパーティーよほど大事なものなのだろう。

そんなことを考えながら、慣れないヒールで歩みを進め――金の淵に彩られた重厚な扉を前にして、私は立ち止まった。


中から微かに人の話し声が聞こえる。それは機械で拡張されているようでわずかに反響しているのが分かる。


会場に入るのを躊躇っていると、扉の両サイドに待機していたホテルマンが恭しく扉を開けた。


「えっ、ちょっとまだ」


心の準備が出来てない。
そう言いかけて、思わず息を呑んだ。


思わず目を細めてしまうほどのキラキラ眩しいシャンデリア。

眩しさに目が慣れて会場が見えるようになった頃にほ、私と同じようにドレスやスーツに身を包んだ人々が、一斉に私の方を振り向いていた。


真っ直ぐに視線を上げると、今夜のパーティーの主催者で会社の代表である高山宗介が、一瞬気遅れしたように口元からマイクを離していた。


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