俺様社長に飼われてます。


「ちょっ、」


ボフッ、とシーツが浮いて私の身体は上質なマットレスに反発せずに沈み込んでいく。

高級なベッドだけあって全く軋んだりしない。


「お前、本当に馬鹿だろう」


そういって小箱とミネラルウォーターの入ったペットボトルを足元に投げ付けられた。

その一連の荒々しい所作を見る限り、高山さんの怒りは頂点に達しているらしかった。


「お前のことは招待していないはずだが。……ああ、柳谷か?会場にあいつの姿が見えないと思ったらお前がいたしな」


いつになく饒舌な高山さんに若干の恐怖を感じながら、ペットボトルに手を伸ばすとその手を掴まれた。


「それに、あの男は知り合いか?」

「あの男……?」


回転の鈍い頭で記憶を辿って、ようやく浮かんできた赤羽さんの顔を思い浮かべて口を開きかけると、何も喋らせる気はないと言うように肩を掴まれて押された。


「た、高山さん……?」


お腹にのしかかられて身動きが取れないし、アルコールが回っているせいで思うように手足に力が入らない。

それを知ってか知らずか、高山さんはそれほど私を強い力で押さえ付けたりはせず余裕そうに私を見下ろして微かに笑っていた。


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