俺様社長に飼われてます。
「――キスマーク」
低く色気を孕んだ声に、ゾワゾワと全身が粟立った。身の危険を感じて慌てて男を突き放そうと肩を押すと、これ以上のことはするつもりがなかったらしく案外あっさりと離れていった。
「お前はまだ子供のままでいい」
小さくそう呟いたあと――いつも通り、涼しい表情に戻った高山さんが何でもなかったようにベッドから離れてソファに腰を下ろしてテレビのリモコンを手に取った。
解放された安心感と急激な眠気に襲われて、私は高山さんの行動と言葉の意味を考える間もなく微睡みの中に揺られていった。
きっと夢。
これは全部、夢だから。