俺様社長に飼われてます。
寝起きよりはましになったものの、未だに軋む身体を引きずりながら高山さんがいるであろう社長室を目指してエレベーターに乗っていた。
今日は夕方からメイク雑誌の撮影があるから少ししか仕事を手伝えないけれど、いないよりはましだろう。
そんなことを考えているうちにビルの最上階。ようやく見慣れた景色になった広いロビーのような空間を抜けて、社長室の扉の前に立つ。
ノックをしようとして、中から話し声が聞こえることに気が付いた。
柳谷さんか、誰か来客だろうか。数秒迷ってからノックをすると中の話し声がピタリと止んだ。うんともすんとも言わなくなったことに首を傾げつつ扉を押し開ける。
「高山さん、おはようございま……」
扉を開けて、目の前に広がった光景に思わず息を呑んだ。
いつものように高級そうなふかふかな黒い椅子に座る高山さん。でも、今日はそれだけでは無かった。