俺様社長に飼われてます。
「……どうしよう」
「社長、心配してるんじゃないですか」
赤羽さんには全部話した。
最初から最後まで。私の生い立ちから高山さんに出会って、現在に至るまでを全て。
高山さんと同居(というか居候させてもらっている)していることを話すと少しだけ驚いたように眼鏡の奥の瞳を瞬かせていたけど、すぐにいつも通りの眠そうな無気力な表情に戻っていたからそれほど気にしていないんだろう。
「心配……なんてしないですよ。きっと。綺麗な彼女がいますし」
冷静に考えなくても、あれほどの美形で仕事ができて、お金持ち。こんなスペックを持っていて女性にモテないわけがない。
「本当に彼女なんですか?本人はいないって言ってたんでしょ」
"そんなものはいない"。
ハッキリと、キッパリと。真っ直ぐに私を見てそう言った高山さんを思い出して――私は激しく首を横に振った。