叫べ、叫べ、大きく叫べ!

まだ7時台にも関わらず、妹の後を追うように学校へ向かう。


これが、私の日常だ。


家にいても母とは喋ることないし、テレビはとっくに興味をなくしている。


つまらない家の中にいるよりは、早めに学校に行って、誰もいない教室から外をなんとなく眺めてる方がいい。


それに少しだけど、私には充分なくらいの自由な時間が過ごせるから。


通学路を傘をさしながら歩く。


やっぱりこの雨は嫌いだ。

傘なんて意味無いんじゃないかな。


ブレザーは細かい水滴だらけで、手で払えばその分染みついて湿気る。


はあ、と大きく息を吐く。


少し歩く速度を上げて、顔や制服に次々と霧がかる雨粒に耐えながら、私は学校を目指した。

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