叫べ、叫べ、大きく叫べ!
――……そんなこんなで、都波との急な接近はほとんど無くなって内心万々歳な私は、徐々に西村さんと立石さんに心を開いていった。
今日は夏休み目前の金曜日。
私は緊張させながら2人のことを名前で呼ぶことに成功した。
2人はしばらく無の状態になっていた。
少し不安になった私は2人をつつくと魂が抜けてしまったように身体だけがグラグラと揺れるばかりで。
意識が戻ってきた頃、皐月ちゃんは照れながら嬉しそうに「ありがとう」と言ってくれた。
一方、文香ちゃんはなぜか涙していて。
それから「ありがとう!」と抱きついてきた。
私たちを傍で見ている皐月ちゃんは、ふぅと一息ついて、どこか羨ましそうにモジモジしていて、
私はどうしていいか分からなくて目線だけでもと助けを求める。
「ちょっとアヤ……ずるい!私も!」
「え、わっ……!」
私の机を除けた彼女は文香ちゃんに覆い被さるように抱きついてきて、私も文香ちゃんも「ゔっ」と苦しげに声をあげる。
「ゔ、……ちょっ、どいてよメ゙イ゙ぐるじい……」
「うるさい。じゃあアヤが退いてよ」
「い や だ!」
いや、退いて欲しいのは私の方なんですが……。
さすがに重い。スタイルがいい2人でもこの状態では受け止めるのにもキツイんですけど。
声を発したとしても苦しいのは私も同じで「あの、ちょっと、」しか出てこなくて。
ぽんぽんと合図しても伝わらず私はされるがままになってしまった。