叫べ、叫べ、大きく叫べ!

昇降口はこんな天気のせいもあって暗かった。


3階に着き、【中嶋級】と書かれてある札を見上げて中に入る。


一番前の窓側が私の席。


スクールバッグを机に置いて、ポケットティッシュをスカートから取り出しそれを適当に拭いた。


ふと見上げた視線の先には時計があって、短針が【8】を指していた。


8時になった瞬間を久しぶりに見た気がして、家を出てからそんなに時間が経っていないことにほっとする。


でもあと30分すれば、クラスの子も他の学年もいっぱいになると思うと少し焦る。


この貴重な私の時間をどう過ごそうか。


そんなこと考えることもせず、私はいつものように机に伏せた。


この時間は私の安らぎタイム。

というより、心の充電タイム。


読書やスマホ、暇つぶしをする物は持っているけれど、私はただ寝るだけに集中する。みんなが来るまで。

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