叫べ、叫べ、大きく叫べ!
夢は基本見ない。
けど、心が不安定な時に必ず見る夢がある。
家族みんなが揃っている夢だ。
密かに願ってる夢は、この夢ではリアルでひどく哀しい。
それは現実と比べてしまうから。
どうして、こんな風に笑顔でいられないの?
どうして、家族なのにバラバラなの?
どうして、私たちのせいにするの?
――私は、どうして生まれてきたの?
こんなただ生きているだけの人生だなんて、つまらなさすぎる。
もっと自由に生きたい……!
こういうとき、誰もいない静かな場所で、思い切り叫んでみたら気持ちいいのかな。
この黒い塊が跡形もなく消えてくれるのだろうか。
夢の中だったらいくらでも叫べそう。
いま、ものすごく、叫びたい。
私は思いきり空気を吸い込んだ。