叫べ、叫べ、大きく叫べ!
「いやいやいや、それはおかしいでしょ!なんで私どかされてんの!?」
「え、だって俺夏澄ちゃんの隣がいい」
「ちょっと退いてよっ私がここに座ってたんですけどっ」
人数が増えたことによってより一層賑やかになるこの席は周りに迷惑がかかっているんじゃないかと心配してしまう。
そんな時、真田くんが口を開いた。
「はぁ……もうさ男女分けて座ろうぜ。園田さんこっち来て」
突然呼ばれて、俯いていた顔を上げると手招きしている真田くんが目に入る。
私が移動すると都波が「え、なんでっ」と目で追われているのを横目で確認した私は逃げるように真田くんの近くに寄った。
「ミヤ奥入って。そんでマモ、俺……で、いいんじゃね」
そう言ってすんなり席に着く彼に「ありがとう」と告げると「おう」なんてテーブルを見て応えていて。
さっきまで目線を合わせてくれていたのに、と不思議に思いながら私は真田くんの真ん前に座った。
でも、真田くんの提案がなかったら今頃都波の隣……。
うわあ考えただけで耐えられない。
長時間うるさくしてくるに決まってる。
せっかく楽しんでいたのに。
はぁ。
小さく息をつくと、さっきまで私が居た席に座っている都波と視線が合って。
“あっかんべー”なんてされた。
私もたまらず返すと一瞬驚いた顔をしたあと、クスリと笑うから、なんだか恥ずかしくなってドリンクバーへ向かった。