叫べ、叫べ、大きく叫べ!
ファミレスに集ってから1時間半は経った。
これでもまだ“1時間半”だということに時間が過ぎるのが今日は遅いなと思う。
スマホの時計は14時15分。
店内も徐々に少なくなっていって、私たちの居る席周辺は誰もいない。
だから当然色んな音がよく聞こえるわけで。
――きゅるるるるるる
小っ恥ずかしい音が自分の中から響いた。
咄嗟にお腹を押えてぼっと顔に熱が集まるのがわかって、消えてしまいたくなる。
あああ最悪っ。しかも静かになった瞬間にこの音って……。
もちろんみんなの視線は私に注目していて。
はじめに笑ったのは都波だった。
さらに赤くなっていく顔は頭から蒸気が上がってきていそうなくらい熱くて。
恥ずかしすぎて俯くと「ちょっとそこ!笑うな!」と一喝して、皐月はみんなにメニューを渡していく。
広げたメニューにはもっと空腹を誘うものばかりで悩んでしまうけれど、私はパスタを頼むことにした。
みんなが決まったのを確認して近くにある注文ボタンを押すと――ピコンと店内に知らされ、店員さんの声が聞こえた。
パタパタと足音が近づいて、視線を向けて。
「お待たせいたしました。ご注文は、」
「マルゲリータ1つ、坦々麺……」
先陣を切って都波が注文をする中、私は見上げて心臓が止まる思いでいた。