叫べ、叫べ、大きく叫べ!
気付けば担任がいなくなっていて、周りは急激にうるさくなった。
友達同士で固まって、担任の悪口。
勉強がつらいだの、めんどくさいだの、口癖のように言うクラスメイト。
私はそんな会話を聞くのが楽しい。
物凄く趣味の悪い性格だと自分でも思う。
人の話を盗み聞きして、楽しんでいるなんて。
でも、みんなそれぞれの考え方に納得したり、軽蔑したり、笑ったり……聞いているだけでその子達の会話に参加している気分になれるんだ。
“やっぱり友達っていいな”って心の奥底で思ってるんだと思う。
心にそうやって溜め込むんじゃなくて、相手と感情を共有したい。
そんな相手が私には必要なのかなって時たま思う。
それでも最終的にたどり着く答えは『必要ない』だから、こうやって盗み聞きして、一人で楽しんでいる。
もう、慣れたから独りには。
どうってことない。
友達も、家族も、人間も、私も、すべて要らない。必要ない。