叫べ、叫べ、大きく叫べ!

いつだってそうだ。


何でもかんでも決めつけて。


やりたくないことは全て私たち任せ。


母は厳しくて、でも垣間見せる笑みは太陽のようで。


そんな母を私はいつだって忠実に言うことを守ってきた。



『友達は家に連れてこないで』


『門限はちゃんと守って』


『お母さんの許可なしであれこれやらないで』



そうこれは縛りだ。


私はそれを17年も忠実に守ってきた。


でも、それがやっぱり私を徐々に変えてしまったみたい。


もとは外で遊ぶような、元気な子だった――と今の私と比べて思う。


友達も普通にいたし、普通に笑うし、泣くし、たくさんの感情を持っていた。



……いつからだろう。


笑うことも、泣くことも、友達を作ることも、たくさんの感情が消えていったのは。



――……それは、私がまだ小学生の時。


高学年だった私の身に起こった、絶望的な出来事。


“両親の離婚”


とはいっても、まだ離婚には至ってない。


今は別居中だ。

父は実家に帰っているらしい。



目を瞑れば、嫌でも蘇ってくる。父の泣き顔。


いま思えば、いたたまれない感情が湧き出てくる。


私も私でその当時は父が大が付くほど嫌いだった。


でも、こんな未来を予想していたら、私は一体どっち側にくっついて行ったのだろう。

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