叫べ、叫べ、大きく叫べ!

「おねーちゃんもなんか言いなよ」


さあ!と手を広げる。


その姿は高校生でもまだ幼くみえて、かわいらしい。


さらに体を揺らす妹に「もうないよ」と言葉を漏らした。


目の前で口を尖らせてる妹は。



「もぉ、いっつもそうじゃーん。なんかあるでしょ。学校は?勉強は?友達のこととか、天気のこととか!」


キラキラさせる瞳に小さく息を吐く。

そんなの聞いても楽しくもないだろうに。


だからいつも母以外について話さないんだよ。



「学校はいつも通り普通。授業は栞那より真面目に聞いてたよ。友達いないし、天気は良かったから1人外でお弁当、」

「も、もういいよ!分かったよ、もー」


遮った彼女はゴロンと床に寝転がった。


チラリとTシャツがめくれてそこから覗く肌色をみて『腹筋割れてるなぁ』なんて思う。


ほら、栞那と違って全然楽しい学校生活じゃないでしょ。
楽しくもない話なんて聞きたくないでしょ。


こんな暗い私の話を聞いたところで相手を傷つけるだけなんだから。

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