叫べ、叫べ、大きく叫べ!

「栞那はいいよね」

「なにがー?」

「楽しそうで」


ムクっと起き上がったまだ幼い顔に本音をぶつける。


瞬きを数回繰り返して「え?」と聞いてきたけど、何も言わず静けさだけが残った。



「栞那は私と違って明るいし、友達だっている。だから毎日が輝いて見えてるように私はみえるんだよ。だから羨ましい」


同じ高校だから移動教室とかで度々見かける妹の様子はいつも笑ってて、たくさんの友達に囲まれている。

私とは真逆だ。

ちゃんと息抜きする場所、ちゃんと自分の居場所があるってとても羨ましい。


あの頃の私のままだったら、妹みたいになっていたのかな。


そしたら、こんなつまらない人生を歩んでいないんじゃないかな。



「栞那は、おねーちゃんが羨ましいよ」

「え、なんで」

「栞那は1人じゃ何もできないから。おねーちゃんは1人でなんでもこなしてるじゃん?そーゆーの凄く憧れるんだあ。おねーちゃん、ほんとだよ?」


にひっと笑う彼女はやっぱり可愛らしくて、少し喉元が熱くなった。


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