Dear My・・・
「実はさぁ。今日の体育で足をくじいちゃって、歩いているの一苦労だったんだ。偶然に会え
てよかったよ」

「お前って、昔からドジな奴だったもんな」

「でも、あんたには何も迷惑をかけていないでしょ?」

「嘘をつけ、嘘を。そのせいで何度俺も巻き添えを食ったことか」

「それはもう昔のことでしょう。口を動かさないで、足を動かしてよ」

「はいはい」

 彼が自転車を漕ぎ始める。

「おまえ、太ったんじゃないか?すごくペダルが重く感じるんだけれど」

「失礼ね、ちゃんと標準体重なんだからね」

「ほんとかよ」

「あんたの彼女には負けるけどさ」

 スラッとしたスタイルの彼女。

 それに比べたら、まるで体型は違うけれど。

「今度、聞いておいてやろうか?どうしたらああいう体型でいられるかってことを」

「余計なお世話よ」

 本当はこんな話をしたいんじゃない。

 だけど話す話題がない。

 何を話したらいいかわからない。

「しかしお前、何をやっていて足をくじいたんだよ。

「バレーボールよ」

「そうか。じゃあスパイクの時とか?」
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