Dear My・・・
「ううん、違う」

「じゃあ、何の時だよ」

「レシーブよ」

「おいおい」

 呆れた声が返ってくる。

「レシーブ?」

「そうレシーブ。ジャンプしてレシーブして着地に失敗したの」

「バカか、お前。普通はそんなことで足をくじかないぞ。レシーブでなんでジャンプする必要があるんだよ」

「そんなの自分でもわからないわよ」

「本当にドジな上に間抜けな奴だな」

 グサッ。

「そんなに運動神経が鈍い奴だったなんて、昔から知っていたけどな」

 グサッ、グサッ。

 クククと全身で笑っているのが、もたれた肩に伝わってくる。

「そんなに笑わないでよ」

「昔のことを思い出してさ。小学生の時だったよな、確か。運動会の徒競走でビリになりたく
ないからって、一ヶ月前から毎朝学校へ行く時に、一緒に走って行ったよな。あとは逆上がりができなくて、放課後にその練習につきあわされたりとか。他にも色々とあったし・・・」

「もういいってば」

 まだ言い続けそうな彼を止める。

「俺って、なんだかんだで結構、お前の巻き添えを食っているんじゃないか」
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