Dear My・・・
 二人が壊れることなんて、望んでいない。

『それは嘘だよ』

 嘘なんかじゃない。

『嘘だよ』
 

 嘘じゃない!
 
 彼女のこと、確かに羨ましかった。

 彼の恋人という席に、いられる彼女が羨ましかった。

 だけど、こんな彼の姿を見たかったわけじゃない。

 伝わってくる痛みがつらい。

「このまま、家まで送って」

「え?」

「海は今日はいいよ。また今度行こう」

 次なんてあるかどうかもわからないけれど。

 今日は駄目だ。

 彼と一緒にはいられない。

 これ以上一緒にいたら、きっと・・・。

 こんな彼につけいることはしたくない。

「だけど・・・」

「いいの。それに足が痛むの。だから」

 彼の胸の痛みに同調するように、足首が痛い。

「わかった」
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