Dear My・・・
 彼はどうするんだろうか。

 今日見たことを彼女に話して。

 それで。

 その後、二人がどうなったとしても聞けない。

 聞いちゃいけないんだ。

 そこまでは幼なじみの領域ではない。

 そうただの幼なじみだから。

 これまでも。

 そしてこれからもきっと。

 胸の奥に隠した気持ちはそのままにして。

 いつか『好き』と言える日は来るんだろうか。

 多分、それは訪れない。

 ぎゅっと目を閉じる。

 彼の背中から鼓動が聞こえる。

 涙が零れそうになる。

 このまま時間が止められればいいのに。

 この瞬間が永遠に続けばいいのに。

 だけど、それは叶わぬ願い。

 たとえ二人が別れてしまっても、こちらに振り向くことはないだろう。

 家の前で彼が自転車を止めた。

 腰に回していた手を離して、自転車から降りた。

「送ってくれてありがとう」
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