The multidimensional universe
「そうだ!」

氷山から跳躍し、跳び蹴りを見舞うゼロ。

試合開始直後の跳び蹴りなど、本来は牽制技にもなりはしないが。

「!?」

ゼロの蹴り足は真紅の炎を纏い、受け止める事すらできぬほどの威力を以って、ウラヌスに襲いかかる!

反射的に回避するウラヌス。

蹴りを受けた氷の大地は、瞬時に蒸発して、分厚い氷を貫通して海面が見えるまでになった。

「貴様らドラン人をはじめとする粗暴な異星人のお陰で、宇宙警備隊の隊員達は数多くが負傷、死亡し、貴様らを止められない宇宙警備隊は、多くの者達に役立たず呼ばわりされて信頼が失墜する一方だ。俺は!」

ゼロは拳を握り締める。

「そんな宇宙警備隊の権威の回復と、貴様らならず者どもを一網打尽にするという目的の為に、敢えてこんな見世物のような大会に参加してやったんだ。宇宙警備隊期待のスーパールーキーとしてな!」

ゼロは、宇宙警備隊の中でも高い能力値を持つエリート級の戦士。

ゆくゆくは隊長、大隊長のポストを与えられる者として、将来を嘱望されているのだ。

< 24 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop