The multidimensional universe

「消し飛べ！」

指先から、螺旋を纏ったような高速光線を放つユピテル！

一直線に飛翔したそれは、影月に襲いかかる！

両手を前に出し、受け止めにかかる影月。

しかし、螺旋光線は直撃！

激しい光が周囲を包み込む！

「無駄だ。俺の螺旋光線は何物をも貫通する。能力値を高めた事で、その貫通能力は更に上がった」

例え戦争に投入された殺人機械だろうと、螺旋光線の威力には耐えられない。

そう信じていたユピテルだったが。

「何っ？」

影月は、その光沢のあるメタリックシルバーの装甲で、螺旋光線を完全に受け切る！

高熱で赤熱化する事も、融解する事もない。

全く無傷のまま。

「！！！！」

影月は螺旋光線の威力を、ユピテルに跳ね返す！

「ぐああぁああぁああぁあっ！」

己の大技を、丸ごと弾き返されたユピテル。

身に付けていた紺色の道着はズタズタに裂け、ユピテルは全身から煙を上げながら、廃墟の瓦礫の中へと落下していく。

戦闘不能なほどのダメージを受け、能力値も限りなく無になってしまっていた。