The multidimensional universe

「う…ぐ…」

強かに体を打ち付けられて、呻く斉天大聖。

そこへ、棘だらけの体を持つ邪神が体当たりしてくる！

「ぐあ！」

岩壁と邪神の巨体との間に挟まれる斉天大聖。

「貴様如きが、我を消し飛ばすと？」

邪神が斉天大聖を嘲る。

「くっ…そぉおぉぉおおぉおぉおっ！」

斉天大聖は一気に能力値を上昇させた。

本気の超極大光線が通用しないのならば、素のままの能力値では太刀打ちできないという事だ。

切り札の1万倍倍加を、ここで使うしかない。

一気に上昇したパワーで、邪神の巨体を押し退ける！

「コイツ…」

邪神が赤い眼を細めた。

「たかがドラン人でありながら、神の域の戦闘力を発揮するか」

そういえば邪神がまだ銀河中を暴れ回っていた遥か太古に、ほぼ互角の戦闘力を持って盾突いて来た『猿神』の異名を持つ獣がいたのを思い出す。

あれはもしや、ドラン人の祖先だったのか。