time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
店があるビルの前に到着すると、そこには浅葱の姿があった。


「同伴いいかな?」


あたしを確認すると、申し訳なさそうに口を開く浅葱。



「店長に確認してみるね」とピッチを耳に当てた。



同伴とはお店が始まる前に客とご飯を食べたりして、一緒に店に入ることを言う。


ドレス姿以外のキャバ嬢を見たくて、同伴を希望する客は多い。



店長はもちろんあっさりと同伴を了承してくれた。



「大丈夫でしたよ。どこに行きますか?」


ゆめかモードのあたしは浅葱に笑顔を向けて、腕を絡めた。


「じゃあ、喫茶店で少し話そうか……」


話って…?


昨日の事だろう。


そんな話したくもないけど……浅葱に連れられるまま、喫茶店へと入った。
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