time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
席に着くなり「珈琲2つ」なんて浅葱が勝手に注文するもんだから、あたしは飲めもしない珈琲に口をつける羽目になる。
「話って何ですか?」
昨日の事だとわかっていながら、そう聞くあたしは性格が悪いかな…
「昨日のことだけど……」
暑くはないはずの店内で、額に汗をかき始める浅葱。
その汗を見つめながら、浅葱の言葉を待つ。
「あんなことするつもりはなかったんだ……自分でもどうかしていたと思ってる。忘れて欲しい。昨日の僕はなかったことにして欲しい。無理なのは承知の上でお願いしてるんだ」
テーブルにおでこがついてしまいそうなくらいに頭を下げている浅葱は、何かに必死になっているようだった。
あたしの目にはそう映る。
「ゆめかも浅葱さんと同じ気持ちです。昨日の事を後悔してます。浅葱さんとの関係があれっきりになってしまうんじゃないかって不安でした。だから、忘れます。昨日の事はなかったことにしましょう」
あたしの言葉に安堵の表情を浮かべながら、顔を上げた浅葱。
これはゆめかの言葉ではない。
カナとしての本音。
喋り方がゆめかなだけで、心からの言葉だった。
「話って何ですか?」
昨日の事だとわかっていながら、そう聞くあたしは性格が悪いかな…
「昨日のことだけど……」
暑くはないはずの店内で、額に汗をかき始める浅葱。
その汗を見つめながら、浅葱の言葉を待つ。
「あんなことするつもりはなかったんだ……自分でもどうかしていたと思ってる。忘れて欲しい。昨日の僕はなかったことにして欲しい。無理なのは承知の上でお願いしてるんだ」
テーブルにおでこがついてしまいそうなくらいに頭を下げている浅葱は、何かに必死になっているようだった。
あたしの目にはそう映る。
「ゆめかも浅葱さんと同じ気持ちです。昨日の事を後悔してます。浅葱さんとの関係があれっきりになってしまうんじゃないかって不安でした。だから、忘れます。昨日の事はなかったことにしましょう」
あたしの言葉に安堵の表情を浮かべながら、顔を上げた浅葱。
これはゆめかの言葉ではない。
カナとしての本音。
喋り方がゆめかなだけで、心からの言葉だった。