time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
まだ制服を着ていたあの頃、あたし達は出会ったんだ。



クラスで一人だったあたしに話しかけてくれた明美。



その関係は今になっても変わらなかった。



それは、明美があたしの事を構ってくれるからだと思う。



明美がこんな風に来てくれなければ、あたしはきっと明美との関係も終わらせていたんじゃないかな……



今、思い返すとそんな気がする。



「秀ちゃんが変わってく気がして怖い」



明美は目に涙を浮べ、あたしを見つめる。



そんな明美の話を真剣に聞くために体を起こした。



「怖い?」



「うん……遠くへ行っちゃう気がするの」



この2人に限ってそんな事はない。



そう確信していた。



違うか……



そう信じたいんだ。
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