time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「明美たちは何があっても大丈夫だ。秀だって明美のこと考えてくれてるだろ?」



「それはそうなんだけど……上手く言えないな。あの頃とは何もかもが変わりすぎて、秀ちゃんが良くわからない」



そうだな。



あの頃とは本当に何もかもが変わってしまった。



変わりたくはないのに、変わっていってしまう苛立ち。



そして、寂しさ……



きっと誰もが抱えてる苦しみ。



「不安ならここに来ないで、きちんと秀に言え。アイツは明美の話を無視したりはしないだろ?」



「そうだよね」



少しだけ、明美の表情が明るくなった事にあたしは安心する。



明美たちには……明美と秀だけには……あの頃のままでいて欲しいんだ。



周りがどんなに変わってゆこうとも……
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