time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「ただいま」


この言葉を使うのもきっと3年ぶり……



鍵の開いているドアを勢いよく開けると、そこには笑顔の浅葱があたしの帰りを待っていてくれた。


「ご苦労様」


靴を脱ぐなり浅葱の胸へと飛び込んだ。


「誰かが待ってくれてるっていいね」


「そんなこと言われたら毎日待っていたくなるな」


それでもいい……


この時本当に浅葱と一緒にいたいと思っていた。


毎日毎日側にいて欲しいと強く望んでいた。



「話ならいくらでも聞くから、取り合えず向こうへ行こう」


抱きついたまま離れようとしないあたしの体を優しく引き離す浅葱。


あたしはコクリと頷いて、居間へと移動した。
< 121 / 398 >

この作品をシェア

pagetop