time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
ドスッ
上を見て歩いたせいですれ違いざまに2人組の男に肩がぶつかった。
「痛ってぇな~」
高校生くらいの男達は俺を睨みつけ近寄ってくる。
このくらいの歳のときはこうやって怖いものなど何もなかったよな……
「おい。兄ちゃん。どこ見て歩いてんだ?」
威嚇してくる姿が少し前の自分と重なって懐かしい。
「何とか言えよ」
「悪かったな」
喧嘩するつもりのない俺は謝罪をして歩き出す。
「悪かったですむと思うなよ!!」
やっぱりな……
こうくるとは思っていた。
あの頃の俺でも同じ事をしたはずだ。
「喧嘩をするつもりはない。俺と遣り合っても勝てねぇぞ」
俺は男達のほうへと振り向き、挑発するような台詞を吐いてしまう。
俺もまだまだ青臭いな。