time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
俺の言葉に顔色を変えた2人は勢いよく俺めがけて拳を振り上げた。
右手でその拳を受け止めた俺は「俺の名前知ってるか?」と男に問いかける。
「ふざけた事言ってんじゃねぇよ!!」
「豊だ。ヘブンの豊。聞いたことねぇか?」
「ゴチャゴチャ言ってんな!」
俺が掴んでいないほうの手を再び振り上げた男の拳を掴んだのは、後ろにいた連れの男だった。
「やめろ」
「何言ってんだよ」
もう一人の奴は俺の名前を知っていたらしい。
これで、もう喧嘩の相手をしなくてすむな。
煙草に火をつけ、2人に背中を向けて歩き出す。