time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「豊さん。待ってください」


「まだ何か用か?」



俺の名前を知っていたほうの男が俺の進行方向に立ち塞がる。



「タケシです。すみませんでした」


そう言って深々と頭を下げる。


3年が経った今でもヘブンは名の知れたチーム名。


そして、その歴代の総長の名も有名だった。


だから、こんなふうに自分の名前を言うだけで、厄介な事から逃れられる。


俺はそのくらいにしか思っていなかったのに……



「俺もよそ見して歩いてたのが悪かったから、気にすんな」


「いえ。そういう訳にはいきません。お詫びにご馳走させてください」



最近では名前ばかりが大きくなり一人歩きしていた。
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