time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
軽く化粧をして、忘れ物がないか家の中をチェックしてから、浅葱が待つ車へと駆け出した。


自由への道のり……


夜からの脱出……



そんな言葉が頭の中を過ぎりながら、外へ出るとマンションの前にはワゴン車が止まっている。


車に詳しくないあたしが見てもその車が外車なんだとわかる。


「この車……」


高そうな車を目の前にして、声にしてしまった。


「車?」


首を傾げながら助手席のドアを開ける浅葱に、「浅葱さんの?」と尋ねてみた。


「そう。これは仕事には使えないからめったに乗らないんだけどね…」


そう言いながら頭をポリポリと掻いていた。
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