time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
明美が帰り、再び静けさが戻った部屋で、ふと天井を見つめた。
ただ真っ白に広がる壁紙を確認して、ここは室内なんだと気付く。
なんか可笑しいな。
ここ最近は可笑しなことばかりが起こっている。
考えることに疲れたあたしは天井への視線を窓に移したとき、窓の向こうにはベランダらしきものがついていた。
ガラガラ
窓を開けて外に出てみる。
空はすっかりと暗くなり、その暗闇に吸い込まれていくように夜空を見上げた。
「今日は星が見えるんだ」
悲しい独り言が宙を舞う。
そこにいるのかよ?
そうなら、この可笑しな状況を何とかしてくれ……ってそんな言葉に耳を傾けてくれるような奴じゃなかったか。
ポケットの中の煙草を取り出し、火をつけた。