time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「そうですか…。」

俺の希望の光は一気に明かりを消した。



「俺も連絡先なんかは一切知らないからな。急用なら、昔の同僚たちに聞いてみようか?」



そうしてもらいたかった。


何としてでもお前に会いたかった。


でも、この時はそれじゃあ意味がないような気がして…



「いいっす。」


俺はマスターの申し出を自ら断った。



「君達は昔からの知り合い?」


「あっ。はい。」


「君と一緒にいる時のカナは、始めてみるカナばかりだったから、そうじゃないかって思ってたんだ。」


お前は人に合わせて、表情を変えられる女だったか?


少なくとも、俺の知っているお前はそんな女ではなかった。


不器用で……


真っ直ぐで……
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