time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「ここには結構来てるんすか?」
俺はここで待とうと決めた。
俺達がもう一度出会えるならば、この店なような気がして……
「ん~カナの気まぐれでひょっこりと顔を出す感じだな。俺にもいつ来るかなんてまったくわからない。野良猫みたいな奴だ。ハハッ。」
「待ってもいいですか?」
「ん?」
「ここで、カナが来るのを待たせてもらっていいっすか?」
俺は真っ直ぐにマスターの目を見つめ、いいと言ってくれと願った。
「君達は同じ目をしている。いいよ。お客が来てくれると言ってるのに、拒む経営者はいないよ。気が済むまで待ったらいい。」
「助かります。」
俺は頭を下げて、ビールを一気に飲み干した。
マスターが言うには4時を過ぎてもカナが来なければその日は来ないと……
いつも暗いうちにしか来なかったと言っていた。