time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「僕は別に気にしないよ。吸ったらいい。」


「いつから知っていたんですか?」


「確信したのはここへ来てから。部屋が煙草くさかったからね。だから、僕も遠慮しないで吸うことにしたんだ。」


浅葱がくる前は寒くても換気を怠った事はない。


それでも、煙の匂いは隠せるはずはなかったか……


「浅葱さんも我慢していたの?」


「煙草の煙を嫌う女の子は多いから……ゆめかちゃんに嫌われたくなくてね。」


そう言って苦笑いをする浅葱の表情はいつもより自然体に見える。


これは浅葱の本音なのかな?



「じゃあ、あたしも遠慮せずにいただきます。」


「どうぞどうぞ。」


あたしは自分のへから煙草を持ち出し、再び浅葱の隣へと座る。


ゆっくりと煙を肺に送り込みながら。
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