time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~

「ゆめかちゃんはお金のために無理して働いている。そんな風に僕の目に写っていた。だから、ゆめかちゃんを自由にしてあげたかった。僕にはお金は余るほどあったから。」


浅葱の言葉に苛立ちを覚える。


あたしを自由にしたい?


お金が余ってる?



ふざけた事、言ってんじゃねぇよ。


そう怒鳴りつけてやりたかった。



「気分を悪くしないでね。そう思うこと自体がすべて自分の優越感や満足を満たすためだってことはわかってるんだ。だから、僕の心を満たすために、ゆめかちゃんにお金を払っている。」



よくわからない。


話を聞いていると、どんどん浅葱という男がわからなくなってゆく。



「だから、僕に遠慮しないで好きなことをして。それが僕の求めている事なんだ。」


何のためにこんな事をしたいと思うのか?


見知らぬ女を自由にしてあげる満足感。


養っている優越感。


そんなことを味わいたいなんて、あたしには到底理解できない。
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