time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「豊~いるぅ~?」


シャッターのほうから、毎度お決まりの声が聞こえてくる。


俺は何も答えずに、腰からぶら下げていたタオルで手を拭った。



「いないのか?」



一人かもしれないのに、よくそんな大きな声で喋れるもんだよな……。



呆れながら、シャッターのほうへと向かって足を進めると、バイクに跨った翔の姿が見える。



「おっ!いるんじゃん!いるなら返事くらいしろよな」



「いた」



「そうかい。行くか?」



翔はそう言いながら左手でグラスを飲み干すジェスチャーをする。


飲みに行くか?ってことか……


家にいてもやる事のない俺は誘われればノーとは言わない。



「あぁ。着替えてくる」



「早くしろよ」



俺は自宅へと続く階段を駆け上がり、家の中に入る。

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