time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~

あたしはソファーに腰掛けるように宗に伝え、飲み物を冷蔵庫から出した。



「このままでいい?」



ジュースの缶を宗の前で左右に揺らすと「今更、気なんて使うな。」といつだって優しい宗。



あたしは宗が座っているソファーとは、別のソファーに腰掛け、体の力を抜いた。



まだ、少しだけクラクラする頭。



「誰かと一緒に住んでるのか?」


「そんなとこ。」



浅葱とは一緒に住んでいるわけではない。


……というか、あたしが居候させてもらっていると言ったほうが正しいか。


うーん。


それも違うような…――


浅葱には家族があって、ここの他に本当の家があるんだから……


宗に説明しようと思ったけど、いい言葉が浮ばない。
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