time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「カナ。店辞めたのか?」



「やめた。」



「店の前でいくら待っても現れないから、どうしたのかと思ってた。」



「ごめん。」



待ってくれていたんだ。



あたしなんかを一体何のために待っていたの?




「会えたからいいよ。この間の話の続きをしたくて……。」



「うん。」



この間の話……“幸せか?”って質問にあたしは答えられなかった。




「カナ。一緒に住んでいる男は大切にしてくれてるのか?」



「そういう関係じゃないから……付き合ってるわけじゃない。」



宗には理解できないよね。


あたしだって今のこの状況を理解できていないんだ。


宗が理解できるはずがない。



あたしの言葉に驚いた表情を見せた宗は大きく息を吐き、ゆっくりと話し始めた。



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