time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「カナ。悪いけど、店番しててくれ。ちょっと急用があって。」


「えっ?」


あたしはグラスを持ち上げた手を止める。



ここで豊と2人きりにはなりたくない。



「それなら店閉めなよ。あたしなら帰るから気にしないで。」と言いながら立ち上がるあたしに、文ちゃんは微笑みながら言葉を続ける。


「すぐに戻るから、待ってろ。」



「文ちゃん?ちょっと……。」



チャリーン


逃げるように出て行ってしまった文ちゃん。


あたし達をわざと2人きりにしたとしか思えない。


余計な事、しないで欲しい。
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