time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「来いよ。」


「あっ?」


「ウチ、来いよ。一ヶ月くらいなら大丈夫だ。」



あたしは足元を見ながら、とんでもない事を口にしていた。



これがあたしの本音なのだろうか?


それとも豊の温もりを感じて、ただ懐かしさに浸っているだけ?


よくわからないけど、あたしはこのまま豊を一人にしておくことは出来なかった。


都合よく浅葱は一ヶ月間現れない。


その間くらい、泊めてやってもいいんじゃないかって……


「そうさせてもらうわ。」


あっさりとウチに来ることが決まる。


豊の元を去ってから3年。


あたし達は会えば、こんな簡単に普通の会話してしまうのか。


沢山の想いを抱え過ごした3年間が嘘だったかのように…――
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