time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
こうなることがわかっていたから、あたしは3年前、豊の元を去ったんだ。


側にいれば、きっと自分の想いを貫けなかった。


あたしは何よりも豊が大切だと、気付かされてしまうから……


でも、そうしたくなかった。


あたしはこの想いを貫き通す必要があった。


ただ、いつ、この想いに終わりがくるのかは未だにわからないけど……


出口のないトンネルをがむしゃらに走り続けているあたしには、未来のことなどわかるはずもない。


チャリーン


あたしのグラスが空になった頃、文ちゃんは何食わぬ顔で帰ってきた。


手にビニール袋を下げながら。
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