time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「いらっしゃい!!」


店のドアを開けると、威勢のいい声が俺達を出迎えてくれる。


「どもっ」


俺はいつものように少しだけ頭を下げると「また、お前等か」と博巳さんは親指で奥の席へ行けと案内してくれる。



俺達だって一応客なのに、ひでぇ扱いだ……って心の中では文句を言っていたけど、直接言えるわけはない。


今はこんな風に居酒屋の兄ちゃんだけど、一昔前までこの人は泣く子も黙ると恐れられていた先輩なんだ。


畳の上に腰をおろして少しすると、テーブルにはビールが運ばれてくる。


毎日のように来ている俺達には博巳さんは注文すら聞いてくれない。


まぁ~楽と言えば楽なんだけど……
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